かののん’s diary

振り返ったときに等身大の自己紹介になるようなブログにしたいです。

JR名松線

9月下旬の思い出。三重県のJR名松(めいしょう)線に完乗しました。

名松線は、松阪から伊勢奥津という駅への行き止まり線です。(「名松線」なので本当は名張(なばり)まで開通するはずでした。)

名松線は何度も台風に壊されてきました。廃線の危機に陥りながらも2011年、6年半の歳月を経て、奇跡的に全線復活を遂げました。
 ずっと乗車したいと思いつつ、、名松線は行き止まっているので、津や鳥羽へ行くことがあっても、ついでに乗る、というのはなかなか難しかったです。けれどもついに乗車できました。
アプローチは少し工夫しました。近畿日本鉄道で津駅から川合高岡駅へ乗車、そこからJRの一志駅へと、普通の市街地を4分ほど歩いてアクセス。そして乗り込むことにしました。

近鉄を楽しみ、歩行者用信号待ちをしたりしながらJRへ向かって歩いていると、踏切の音が!しまった、ゆっくりし過ぎた!乗れなかったらずっと温めてきた乗車が、乗車計画がポシャってしまう!焦って走りました。
すると、ゆっくり乗車しようとしていた地元の方らしいおじいさんが私に気付き、あろうことか「どうぞ」みたいな動作で乗車の順番を譲ってくれるのです。「そんなそんな!どうぞ!」と固辞しましたが、それでもやっぱり「どうぞ」「どうぞ」と順番を譲ってくださるのです。。

お言葉に甘えることになってしまいました。お礼を言いつつ、先に乗車させてもらって、バスみたいに整理券をとりました。
順番待ちとか別世界で、あたたかい雰囲気で、乗車時は恐縮しつつも、日差しは明るく、コンパートメントは余裕で4人掛けに1人腰掛け、漂うのんびり感にコチコチ心がほどけていくようでした。
(今思えばその方も自分のペースで乗り込みたかったかもしれませんね。駆け込んで来て驚かせてしまったかもしれません、、スミマセン!)
 
突撃乗車とはなりましたが無事、名松線の途中の一志駅から家城駅を経て終点の伊勢奥津駅へと乗り、終点から折り返して始点の松阪駅へと、全線乗車が叶いました。

往路では家城駅というすれ違い駅では全ての人が降りてしまい、乗客は私一人の貸切状態に。今までいろいろなローカル線に乗りましたが、ありそうでなかった状態でした。

風景は家城駅からが真骨頂だったように感じます。風光明媚でありながらもやわらかで穏やかで、それでいて蛇行する川あり鉄橋ありで目を楽しませてくれます。川にはとがった石ではなくて丸い石がたくさんある感じ。その気になれば観光列車も運行できそうな雰囲気でほっこりしました。

この路線はこれからどうなっていくのかな。近鉄が観光列車を運行しているし、特急もビュンビュン走らせているので、こういうスローな行き止まり路線は観光列車にするのは難しいのかな?
ちなみに、帰りの名松線では行きに出会ったおじいさんも乗車されていました。ホントに生活の足とされているのですね。
奇跡の復活を遂げてくれたおかげで乗車できた名松線、これからもずっと続いてほしいです!