マレーシアの映画で、民族も宗教も言語も多様でした。
でもメジャーとマイノリティはあっても、支配者と被支配者にはっきり分かれていないのが、心から良かったです。
見た目だけでなく、生活様式はもちろん、価値観もそれぞれ全く異なる子供たちと、その家庭。
子供たちは、いろんな意味で誤解したり対立が生じたり。
でも説明を聞いたり事実を知ると、最終的には「知らなかった、、ごめん。」「わからなかった!ごめんなさい!」にほっこり。
誤解もわだかまりもスッと溶けるんだなぁ。
一方大人たちの、人生が深くなってしまったがゆえの懊悩や偏見には胸が痛むところもありました。
特に、家族を思うがゆえの押し付けや、宗教で過度な一般化をして人をとらえてしまって、相手の幸せとか、その人の内面の素晴らしさが見えないところ。
でもそんな大人たちも、自分の若かった頃を思い出すとやっぱりフレッシュな心があったことに気づいたり、許したりで、基本は根がいいというか、聡明なんだなぁ。
基調にはいつも優しい音楽が流れていて、歌詞の中にピュアな感性、純粋な心、みずみずしい感情があふれています。
複雑な社会模様に入り込んでは、音楽の心地よさに引き戻される、そんな映画でした。